LJL Final DFM VS USG を分析してみる。
いよいよ、来る4月13日、LJL Finalです。
春に大輪の華を咲かせるのは、どちらのチームになるのか。
DetonationFocusMe VS UnsoldStaffGaming の一戦です。
昨年のSummerもこの顔ぶれでしたから、2度目のBo5という事になりますね。
CGAファンボな私でも、日本代表が決まるこの闘いはやはり注目せざるを得ません。
(裏番組でLCK決勝もあるので非常に濃い一日になりそうです)
さて、本題です。 どちらが優勢なのか。
前回のCGA VS USG の時のように相性や闘い方から分析をして見たいと思います。
★目次
1・ポジション別選手比較
2・チーム全体比較
3・ドラフトの影響と総合分析
1・ポジション別選手比較
TOP:Evi VS apaMEN
言わずと知れた世界のイーヴァイことEviと、古豪apaMENのトップレーンですが、
両者共に今年はグン、と幅を広げ、強くなった印象が強いです。
Eviは元から得意であったタンク系、ファイター系に加え、今年はブラッドを使いこなして見せました。しかも逆転の切っ掛けを作っています。
対してapaMENは元々のポジション経験からライズ等のメイジに加え、SemiFinalではヨリックを有効活用し、シーズン終わりにはフィオラも飛び出しました。
正直言って、両者のピック幅は互角でしょう。OPチャンプは勿論、ポケットピックじみた使い方も出来ます。その上で実際の腕前も、譲らない火花散る戦いになります。
スプリット、集団戦、そしてレーンの強さが冴え渡る両者を、ドラフトでも分けられないとなると……。勝敗は読めませんね、トップはイーブンです。
光り輝くEviのブラッドミア。新たなEviを見せ付けました。
SemiFinalでは1対2でも圧倒したapaMEN。間違いなくUSGの大黒柱です。
JG:Steal VS Tussle
TussleがRampage時代からぶつかり合ってきた両者の対決も、もはや名物と言っていいでしょう。
視界のコントロールを両者とも得意とし、ハンドスキルも一級品。かと思えば、攻撃的な一面も見せる点も素晴らしい。そして両者とも、自らキャリーも出来ます。
強いて言うならStealはハイリスクな行動をする事があり、Tussleは逆に手堅くまとめるのが得意という形になるでしょうか。
昨今のジャングル事情から言えば、より攻撃的な展開が結果に繋がる為、環境では若干Stealが有利でしょうか。TussleがSemiFinalで見せたエリス、キンドレットはStealも使えるのですよね。 とりあげる、という選択肢も生まれるわけです。
それでも5,5VS4,5程度の微量な差でしょうが……調子のいいTussleは誰にも止められないので、コンディションがモロに響くのがこの組み合わせでしょうね。
SemiFinalで突き刺さったTussleの”牙”キンドレット。Stealの喉笛も噛み砕くのだろうか
Mid:Ceros or Ramune VS Dasher
今までのDFMに足りなかった攻撃的ミッドピックを補うRamuneの加入、及びKRMidプレイヤーに対しても戦果を上げている事を考えると、DFMは臨機応変にカードを切り替えられるのは本当に強みです。
まず皇帝Cerosはハイマーを中心としてのコントロール、及びポケットピックで的を絞らせません。下手なカウンターピックは跳ね返す力があります。
尚、対Dasherにおいても柔軟に耐え切り、集団戦で成果を見せていますから、よりトップ・ボットに重きを置くときはCerosが鉄板でしょう。
Ramuneが登板する場合、3レーンで攻撃的ピックが出来る為、Stealがより動きやすく、序盤戦で終わらせるプランも見えてきます。ただ、やはりDasher相手はまだまだ辛い感覚がします。
Tussleの援護があったとはいえ、Ramune-Stealを相手取り生き残るDasher
そう、ハンドスキルという面で見た場合はDasherは両者を上回る戦果を上げてきています。実際、ゾーイでのキャリーは脅威の一言でした。CGAのLunaを封じきっていますし、RJのエースHolisもDasherの前に砕け散っています。SemiFinalでのタリヤも圧巻で、野放しにして良いプレイヤーではないでしょう。
個人的には先ほども言ったとおり、Cerosでコントロールするのが最善策ではあると思われます。 Cerosならば総合的に見てイーブン、Ramuneであるとハンドスキル分とキャリー気質の差で3:7ぐらいに落ち着くでしょうか。
いずれにせよ、USGにしてみればキーポイントになるのがここになります。
ADC:Yutapon VS Keymaker
今シーズン終わりまでなら、Yutaponの7:3ぐらいと読むぐらいには差があったと思われるのですが、SemiFinalで仕上げてきたKeymakerは予想以上の成長をしていました。
ルシアンによりイーブンに持っていったり、ペースを握るというのは過去より格段に良くなっていましたし、集団戦でのパフォーマンスはエズリアルでなくとも存在感はありました。初期の頃のメイジピックも効いています。
ただ、Yutaponはシーズンを通してパフォーマンスを磐石にしてきています。特にレーン戦ではGeangの加入によって、今まで出来なかった攻撃的ピックも出てきています。そうでなくともブラッド、ヤスオ、ドレイブン等の飛び道具も持っています。
ドラフトによっては、Keymakerは再び試練のときを迎えるでしょう。
キーポイントは、攻撃的ピックでかち合った場合、有利をどちらが取るのか。そしてYutaponの独創的なセンスをどこまで押さえ込めるのか。
若干の期待もこめてですが、6:4でYutapon有利と見ます。
SUP:Geang VS Enty
昨年度までのVividが悪いわけではなく、加入したGeangは一回り上回るであろう最強KRSUPです。(実績からするとLCKCSチームに加入した元V3のGugarも強かったですが)
それに対抗するのは最強JPSUP、Enty。最近ではフック系だけではなく、守る意識も高めているとインタビューで述べていました。
双方ともにスレッシュは使いこなせますが、GeangはEntyの取らない選択肢も豊富に持っていて、ドラフト次第では相当窮地に追い込まれる危険性が高いといわざるを得ません。(終盤のパイクピックもありえる)
そしてSemiFinalで暴れたモルガナも勿論、レパートリーに入るでしょう。
ハンドスキルはほぼ互角でも、キレ味という意味あいではGeangに軍配がまだ上がると思われます。差は小さくても、ここは6:4でGeang有利と見ました。
ボットレーンは総じて、7:3でDFM有利となる可能性が高いでしょう。
Ban枠を大量に割いたのにも関わらず、完璧にレーンを壊すYutapon-Geang
★両チーム注目選手
やはりYutaponとDasherの対決が見もの。何より、2戦目ではキャリーするDasherをYutaponがしとめたことでゲームの流れが変わりました。攻撃的プレーを取り戻したDasherがリベンジできるかも注目でしょう。
最終的にソロキルされたDasher。リベンジの炎は静かに燃えているでしょう。
2・チーム全体比較
オールレーンでのバランス、という面においては両チームは疑いようがありませんが、DFMはトップ・ボットヘビー、USGはトップ・ミッドヘビーに動く傾向があります。
集団戦は双方互角、マクロ面では中盤以降にダレる課題を持っていたUSGがSemiFinalで修正してきたことを考えて、互角と見ます。お互いに今シーズンはゲームを終わりに導くまでのアクションはしっかりと行えているので、一度どちらかに傾くともしかしたら逆転は無いかもしれません。
やはり鍵となるのは、トップージャングルのラインで、そこに介入できるかが鍵となります。間接的にミッドレーンのコントロールが重要と言うことですね。
なので、Cerosスターターというのは納得の形で、コントロールさえ取れてしまえば、DFMの必勝パターンとなるでしょう。
チームとしての勝ちパターンの確かさ、ではDFMが若干有利と言えますね。
3・ドラフトの影響と総合分析
さて、問題はドラフトです。
OPチャンプ枠としては、9,7仕様になっているのであればサイラスのナーフにより、OP枠は僅かに2つ。
ケイルとレクサイです。しかもケイルは強制的にレイトゲームを確定させる諸刃の刃ですから、実質レクサイをどうするかがOP枠の使い方となるでしょう。
準強力枠としてはジャーバン、モルガナ、ガリオ、リサンドラ、そしてヨリックといったところでしょうか。
さて、対戦想定で見てみますと、双方トップレーンでの優位を確保したいという思惑から、OP枠を取り合うブルーサイドよりも、レッドサイドを優先させるでしょう。
サイド選択権を持つDFMは、定説どおりならレッドサイドを選択するはずです。
しかし、USGのRAHUIコーチはCGAのQooコーチの想定をきっちりと上回ってきました。定説どおりのドラフトでは優位をブルーサイドから作ってくるでしょう。
USG得意の形としては、ゾーイを先に押さえ、エズリアルータムケンチ等のポーク構成が刺さる形でしょうか。
恐らくですが、今回のドラフト、Cerosのハイマーをわざと開けて来ると思われます。世界という舞台では、Cerosを正面から叩き潰してきたEDGのScout他、強豪と合間見えることになります。Dasherほどの腕を持つプレイヤーなら、Cerosを押さえ込む事ができなければ、勝てないことがわかっているはずです。
闘いの王道であれば、ハイマーをBanするのが常道でしょう。勝つだけならそうしますが、「ハイマーをBanする事をしない」戦略が通用するのならば、DFMに対してBan枠を開けることが出来ます。
これは、どのチームも言えることですが『賭け』になるでしょう。ハイマーに存在感を発揮されてしまえば、その後のドラフトも苦しくなります。しかし、ハイマーを毎回Banしてしまえば、貴重な枠を全て奪い取られてしまいます。
ドラフト戦を優位に運ぶ為にも、1戦目においてDasherが勝てるピックを用意しているはずです。
接戦だったWeek5では、RAHUIコーチはCerosハイマーをBanしていました。
DFMのKazuコーチは、日本人コーチとしては最高峰です。チームの状態と出来る戦略をしっかりと、相手を考えた上で実行できます。当たり前は万全に、その上で仕掛けるポケットピックも的確に組み込む……下調べが膨大に必要です。有る意味で、DFMの組織力がそれを下支えしているのかもしれません。
話が逸れましたが、チームとしての明確な色、Ban枠の幅の広さ、メタの適応度という面ではDFMがUSGを上回ると言えます。
単純にエース級と呼べるピックを制限する枠が、DFMは多すぎるのです。(特にCeros)
USGが優位に立てるとしたら、メイジピックのフレックス制、といったところでしょうか。
予想ではDFMの6:4優位と見ます。
そして最後に、総合的に見ると……ですが、
やはり王者DFMは磐石の態勢であり、全てにおいて優位制を確保していると見ます。
USGが勝利する為には、まずドラフトでの勝利は必須ですし、
Cerosのハイマーを押さえ込めるか、そしてボットレーンを保てるかという細い細い綱渡りが必要となります。
個人的な最終予想ですが、磐石に行けばDFMの3-1、もしくは3-0がありえると思われます。特に1戦目をUSGが取れなければ3タテはありえるでしょう。
しかし、もしUSGがサイド不利である1戦目を、Cerosのハイマーを打ち破る形で勝てたなら、逆にUSGの0-3勝利がありえるでしょう。
DFMの戦略の軸を如何にしてUSGが破壊できるか……?それが見所だと思われます。
運命のFinalまであと2日。
現地に行く人は、是非楽しんできてください!!