AXIZ VS USG 分析してみた。
LJL Week3。誰もが目を疑った1戦がありました。
現在DFMに次いで2位。私の好きなCGAを倒したUSG。
そして全敗中、このまま勝利なしかと思われたAXIZ。
USGが下馬評では圧倒的有利。しかも絶対王者DFMにも肉薄していたことからも、経験者ならばUSGの勝利を疑わなかったのではないでしょうか。
しかし、AXIZはその予想を覆し、今年の初勝利を挙げました!
そこで、今回はAXIZが何故勝ったのか、少し分析してみたいと思います。
1:ドラフト
ブルーサイドAXIZ レッドサイドUSGで、サイドはUSGが選択。
1stバンはイレリア・ジェイス・スレッシュ・カシオペア・ルシアン・アカリ
ターゲットバンとOPバンが混在した双方定番どおりのバンです。
そして1stピックは
アーゴットーエイトロックス・カイサーリサンドラ・シンジャオーゾーイ
AXIZは手堅くアーゴットを押さえ、集団戦に強いリサンドラ、遭遇戦とイニシエートの取れるシンジャオ。
USGは残ったOPの中からエイトロックスを確保し、Keymakerへキャリーを期待しカイサ、最後にカウンターが取りにくく中盤の流れを作れるゾーイを。
エイトロックスはアーゴットと当てるのは相性的に難しいですので、ジャングル運用もAXIZは考えなければなりませんでした。
そして2ndバン。エズリアル・ザック・ラカン・パイク。
USGはボットレーンの択を、AXIZはTussle、Entyを集中バンした形。
最後は2ndピック。 タムケンチーシヴィア・ルブランーカミール
ここでこのドラフトの妙、リサンドラサポートという選択肢が映えてくる。
本来ミッド運用のリサンドラをサポートで用いるというのはUSGは想定外だったろう。最後の最後までUSGを誘導したAXIZのドラフト勝ちといえる。
マッチアップは、
TOP アーゴット VS エイトロックス
JG シンジャオ VS カミール
Mid ルブラン VS ゾーイ
Bot シヴィア・リサンドラ VS カイサ・タムケンチ
Topはアーゴットが微有利、JGは互角、Midはルブランが、Botはシヴィア・リサンドラが優勢と全体的に見てAXIZが有利を取るピック。
そして集団戦になった場合もAXIZ有利である。USGは睨み合いの形から、キャッチアップを狙う形になる為、そうとう難しい運用を迫られた。
2:実際の試合の流れ
試合はドラゴンピット前のファーストブラットから始まった。
ISeNNのファインプレー+tintonの切り替えしから有利を掴み、ボットレーンのペースはそのままAXIZのものに。
対して、有利なピックを握っていたはずのトップレーンはaPaMenの高いミクロによって窮地に陥る展開。Tussleのトップレーンへの圧力がUinyanを押し込んだのだ。
ミッドレーンはTussleのプレッシャーを存分に使ってDasherのゾーイがGariaruのルブランを押し込む展開。しかしGariaruが立ち居地を巧妙に操作し、なんとか微負け程度に抑える事に成功する。
総合的にはジャングル分を含めるとAXIZがペースを握った。
そのままAXIZが押し込むかと思いきや、USGが集団戦を仕掛ける。キルの取り合い、タワーの取り合いとなり一気に混戦に。
しかし、中盤戦を制したのはUSG。ゴールド優位をつけていく。
AXIZは視界のコントロールをしかけ、USGの隙をついてバロンラッシュ。
なんとか食らい着く事に成功し、ギリギリのところで情勢は膠着する。
大きく動いたのは40分を過ぎたエルダードラゴン戦。
再びAXIZは視界を取る事に成功し、ISeNNのエンゲージにより有利を握ったAXIZは、エルダードラゴンを確保。
そのままバロンも取得し、情勢を整える事に成功。
最後は本陣タワー前の集団戦を制し、AXIZが勝利した。
3:分岐点は
ジャングルとボットではAXIZ、トップとミッドではUSGが上回っていた試合。
それを存分に生かしてUSGが有利を握ったかに見えた中盤を、2度のバロンでひっくり返したのはAXIZだった。
今回のAXIZの勝利は、視界確保とタイミングというプレー。そしてドラフトでの優位制を生かしたゲームメイクがハマッた結果と言える。
実際、もしAXIZがドラフト優位を取られていた場合、ミクロの違いにより圧倒的に押し込まれていた可能性が高い。
互角のドラフトでなかったからこそ、耐える契機が生まれた。
そしてUSGのプレイングミスではなく、AXIZが集団戦にこだわり抜いたことでシヴィアを駆るDay1の火力が生きた。
分岐点は、リサンドラにゾーイを当てた瞬間。
あの時、AXIZのコーチはほくそ笑んだに違いない。まさに戦略の勝利だった。
と、若干私見も混じりましたが、分析してみました。
AXIZの勝利は偶然ではなく、戦略によって成り立っていたものだったのです。
最後まで粘りぬいたAXIZに賞賛を。