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LJL SemiFinal! CGA対USG その詳細と、USGの凄さ・恐ろしさ

 CGA、完敗、と言っていいでしょう。結果は0-3でした。

 ファンボとしては凄く悔しい結果です。良いところは見えましたが、それ以上にUSGとの開きを感じてしまいました。

 

 事前予想では若干USGのほうが有利で、勝つとしたら3-2というギリギリの勝負になると思っていたのですが、悪いほうの予想……勢いに乗ったUSGに0-3という方が当たってしまいました。

 

 以下、試合の簡易レポートです。

 

・1試合目

 最終ピック前

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 1試合目のドラフトは

 ジェイス スカーナー マルザハール ブラッド カリスタ ルブランのバン

 ピックは サイラス ルシアン・ジャーバン ブラウム・レクサイ コーキ

 この状態ではイーブンでしょう。勝負は2ndバンでした。

 アカリ スレッシュ ライズ フィオラ と進みましたが、ここでモルガナが漏れてしまいました。Entyが仕上げていたとしたら考慮に値するOPサポートです。

 ここでカウンターを当てられた状態でCGAは アッシュ・ケネン。

 そしてUSGサイドがここでぶつけてきたのは、

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 ヨリックでした。

 ベタ足のケネンを封じきれる上に、ADケネンだったとしても封じきれるポテンシャルのあるカウンターピック。

 この時点でトップとサポートの不利が確定しています。CGAはキャッチに優れた編成ですが、その耐性を持っているモルガナ・コーキ・ルシアンが主力の為、非常に苦しい戦いを強いられる事になりました。

 

 実際の試合ではUSGサイドが常に主導権を握り、CGAはそれを覆す計画的なドラゴンファイトを実行しようとしましたが、その時!

 

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 Entyのスネアが突き刺さるゥ!!!

 

 正直、集団戦のポテンシャルはNapのUltにかかっていたと言っても過言ではないでしょう。この時点でパワースパイクを受け止められ、集団戦で敗北します。

 流れを掴みきれず、その後一端反撃はするものの、1ゲーム目はサイド不利を覆してUSGが圧勝。

 CGA側は、ドラフトの修正を迫られます。

 

・2試合目

 なんとUSGがレッドサイドを選択します。

 これは最初から「レッドサイドでの有利さ」を前提にドラフトを練ってきた事を示しています。CGAは自分達のドラフトを修正しつつも貫かなければなりません。

 

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 やたらとEntyが写ってるのだが筆者は別にファンなのではない。

 ドラフトの流れは、

 ジェイス スカーナー マルザハール ブラッド ルブラン カリスタ のバン

 CGA側はフレックスであるジャーバンを初手で取りました。これは悪い選択肢ではないでしょう。Napもhachamechaも使用できるし、なんならサポートでも使える形です。

 USG側はセットで強力なルシアン・ブラウムをピック、それに対してCGAはタムケンチ・アッシュというカウンターをピックします。

 そしてここでまさかのヨリックを先ピック。これは絶対の自信を持ってピックしたということでしょう。それ以上にこれによって「DasherかTussleでカウンターするぞ」という意思が伝わります。

 2ndバンフェイズは ヘカリム レクサイ サイラス ライズと進みます。

 ヘカリムはニッチなピックですが、ヨリックに優勢でありますし、お互いのチームが残りポジションのOPチャンプを潰す形になります。

 ただ、USGサイドはこのバンによってヨリックのカウンターをほぼ潰し、ジャーバンが対面に来るなら圧倒するというapaMENへの信頼を持ってエリスをピックします。

 CGA側はこれを受けてアジールとケネンをピックします。しかしこれは疑問手でした。エリスのプレッシャーを受けて、ケネンは有利を取れるかというとそうではないですし、集団戦向けのピックかと言われるとそうではない。

 有利を取ってアジールとスパイクを合わせるのならばジャックスもありましたし、キャッチに特化するのならばヨリックのカウンターとしてのサイオンもありました。Napのプールが狭いというわけでもないのに、これは少しチグハグなイメージを持ちます。

 その代わり、ボットは有利であり、ローテーションで崩すという事も出来る形なのは1ゲームから修正されたといえます。

 ドラフト的には2ゲーム目は若干良くなったでしょう。(それでも不利でしたが)

 

 しかし試合内容は、

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 第1ゲームよりはマシなトレードではあったもののトップを凹まされ。

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 それでも有利なボットレーンを中心にゲームを組み立て、少しでもLunaのパワースパイクまで時間を稼ごうとします。

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 しかし、中盤からの組み立てはUSGが上回り、Lunaのパワースパイクを完全に迎える前にバロンを取得されてしまいます。

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 そのまま有利を手放さず、またもUSGが圧勝します。

 序中盤まではイーブンに組み立てたものの、一瞬の視界の綻びとパワースパイクの差が勝敗を分けました。

 

・3試合目

 後が無いCGA、ここでシーズン中の優勢だったときを思い出したのか、ドラフトに大きな変化を加えます。選んだのは準備してきたであろうブルーサイド。

 

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 バンは ジェイス スカーナー マルザハール ブラッド ヨリック ジャーバン

 ここでCGAは圧倒されてきたヨリックをバンし、返してUSGはジャーバンをバンします。実は既にここでUSGは選択を絞ってきているのです。

 レクサイを取るか、サイラスを取るか。

 選んだのはレクサイですが、これは完全にUSGの手中でした……。恐らく、USGのドラフト戦略はパターンを読みきっており、今パッチでのレクサイ、サイラス等のOPチャンプの生かし方、カウンターを定型化しているのでしょう。

 つまりドラフトで勝つためには、それを想定した上で予想外のピックを当て続けるしかなかったのです。Qooコーチが「RAHUIさんにやられた」とツイートしていますが、まさにそれです。

 USGはレクサイに対して、サイラスというOPチャンプに加え、アッシュを抑えます。CGAが返したのはタムケンチ・オーンでした。

 ただこの時点で、CGA側はフレックス系のピックをしておらず、戦略を読むことは難しくありません。アッシュのエンゲージを捌くタムケンチ、これを生かすならレイトキャリーか無茶をしても押せるレーンの強いADCが必須です。加えて、オーンを生かすならばエンゲージ後のDPS、及びバーストが必要という事がわかります。

 USGは最後にブラウムを抑えます。これは編成に応用が利く上に、レーンも強く、オーンのカウンターとして機能します。既に1stピックでUSGは有利を取っています。

 後はLunaの得意ピックであるコーキ、アジールを、CGAはフィオラ、ルブランをバンします。これはサイラスがフレックスであるということが刺さった結果でしょう。

 そしてここでUSGはキンドレットという隠しピックを選びます。これが恐ろしいところは、CGAがオーンからのエンゲージで集団戦を勝ちきる「バーストを出す」選択肢を一気に潰しているところです。キンドレットのR(羊の執行猶予)によって、DPS合戦に持ち込む事ができますから。

 ここまで戦略を絞られてしまったCGAは、レイトキャリーのコグマウ、最後にライズをピックします。サイドにレクサイと共に影響力を与え、コグマウの戦力が整った後に集団戦を勝ちきる選択を取りました。

 それに対して、微笑むEntyが選択したのは……。

 

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 タリヤでした。

 

 LCKやLPLでも評価が再度上がってきているタリヤならば、ライズよりも早くサイドレーンに影響を与えられますし、有利を取れるトップ、ボット両サイドをさらに加速させる意味合いもあります。

 この時点で、CGAサイドは序盤に非常に大きな不利を背負います。レーンを押し込むことが出来ない為、レクサイーライズのラインを機能させることが難しく、キンドレットにフリーファームをさせてしまえば、決して止まる事がありません。

 それをhachamechaは理解していたのでしょう、ゲーム開始後、なんとかTussleに有利をとろうとします。

 

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 しかしそれが悲劇の始まりでした。

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 無理をした結果、ファーストブラットとマーク、そしてフラッシュダウンという3重苦が襲い掛かります。

 これによって、唯一の細い糸であったラインは崩壊します。

 そして手堅く有利を広げる事ならばLJL随一のジャングラー、Tussleが間違いを犯すはずがありません。

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 後はプラン通りにトップを崩され……。

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 優位をもってミッドを潰され……。

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 ヘラルドを取る為に3キルとボットタワー+プレートを全て奪われてしまいました。

 

 悪いほうへ、悪いほうへとどんどんと事態がスノーボールしていくのがわかりました。

 既にこの時点で私は言葉を発せず、ひたすら祈るしかしていなかったほどです。

 敗色濃厚でした。

 

 しかし、祈りはむなしく……。

 

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 バロンを抑えられ、完封されてしまいました。

 

 全体を通してみると、ドラフトで先手を取られ、そしてレーン戦では優位を取れることが少なかったように想います。

 Luna,Artの両名を完全に押さえ込んできた形でした。

 特にNapがapaMENに圧倒されたのが大きかったですね。ソロキルまで取られていましたし、メンタル的にはCS経験がありますからそこまでではないにせよ、明らかな差を感じていたのではないでしょうか。

 hachamechaも無理に有利を取り返そうという動きや些細なミスもありましたし、いつもの動きが出来なかったというのもありますね。

 

 そしてそれ以上にUSGが対CGA向けの戦略をしっかりと整えていました。

 ヨリックでしっかりと優位を取り、最後まで圧倒し続けたapaMEN、いつも通りに中心にあり続けたDasher、Tussle。そして下馬評ではマークスマンでは一歩劣るような形だったKeymaker。そして、シリーズ1戦目でチームを勢いづけたEntyの好プレーは珠玉でした。

 何より、ドラフトは練りに練られていて「当たり前」のピックをしてしまうと、それらは全て想定内にされてしまっていたのがUSGの凄みでしたね。

 

 CGAは最下位から今シーズンは2位までジャンプアップしたチームでしたが、ここでやはり分厚い壁が立ちはだかりました。

 Luna、Art両名は奮戦していましたし、Grendelも随所で光るものを見せました。

 ただ、ここから上に上がるには、チームとしての熟成と、パターンの増加が必要になるでしょう。

 

 特にQooコーチのドラフトを組み上げるに対して、手札を増やしてあげる事も重要だと思われます。

 コーチ自身のドラフトの腕も勿論ですが、ポケットピックのようなものも必要ですからね。「当たり前」を積み重ねるのは勿論大切ですが、それだけでは読み安すぎるので……。

 

 好材料も有る一方不安の有るCGA。

 夏スプリットでは、下位に甘んじたチームも仕上げてくるでしょう。

 Savageの加入でPazを生かすV3、独特なドラフトからWyvernを生かすRJ、

 そして4位まで大躍進したOddugi率いるSG……。夏は一筋縄ではいかないでしょう。

 

 しかしファンボとして、期待を常に持ちつつ、

 この春の悔しさは二度と忘れないと誓うのでした。

 

 

 次は13日、LJLはFinalです。 そちらも事前分析しようと思います。

 それでは、また。