LJL Final 日本代表決定戦……DFM VS USG!!
ついにこの日がやってきました。
両チームキャプテン同士の顔合わせから決戦は始まりました。
長い長いレギュラーシーズンを勝ち抜き。Final(決勝戦)!!
1戦ずつでは見直しをしていこうと思います。
・1戦目(選択権はDFM、ブルーサイド選択)
今後を占う1戦目のドラフト、パッチは9,6だったので私の予想は1つ外れました。
それは、OPチャンピオンであるサイラスがまだ有効だったことです。
真剣な表情でピックをするEnty。USG側は果敢にもBotから攻める選択をしました。
DFM側のBanはライズ、タリック、コーキ。これはリサンドラピックの布石且つBotレーンでのソナータリックというホットなピックを封じる策です。
対してUSGはハイマーディンガー、ノクターン、スレッシュ。予想外にハイマーを封じてきました。それ以外は攻撃的なフックチャンピオンを封じる順当な流れです。
そしてピックはDFMはサイラスを抑えます。これは先日のCGA戦でもあった流れで、CGAはサイラスをMID運用しましたが、Eviのスペックの高さからTOP運用なのでしょう。それに対して、ヨリックとOPジャングラーのレクサイを抑えます。
そしてここでDFMが仕掛けます。Botで早期からペースを握れるが射程の短いMF(ミス・フォーチュン)とリサンドラをピックします。コーキを潰しているので、対抗するポケットピックが無い限りはリサンドラは有効なカウンターが少ない隙の無いピックとなります。
このピックにより、USG側はルシアンを抑えることが難しくなります。同じ射程の短いマークスマンでも、最序盤こそルシアンが上回りますが、序盤すぐにMFがDPS、及びバーストダメージが高くなるために後出しでカウンターを受けてしまいます。
ここでUSGが選んだのはアジール。これも悪いピックではありません。リサンドラと互角以上にレーンを戦えるし、終盤のスケールでも上回ります。
そして2ndフェーズ。BanはDFMがブラウム、モルガナ。EntyのターゲットBanで、ペースを握れる強ピックを封じています。USGはジャーバン、ヘカリムで、Stealがレクサイを牽制できる強いピックと、OPピックであるヘカリムを消していきます。
ピックはアッシュをUSGが抑えます。射程とハラス力でMFを封じる策で、中盤のペースを握れるクリスタルアローというハードCCでBotを崩さない力とエンゲージを両立しています。それに対してDFMはキンドレットとタムケンチ。後出しでカウンターを当てるのは常套手段ですが、Kazuコーチの凄いところは、チーム構成を崩さず、カウンターを当てるところでしょう。これにより、ピックアップをしつつも、1:3:1の強い形を維持する事ができる編成が完成します。
最後にUSGが切り返したのはソラカ。タムケンチのハードカウンターです。USG側のRAHUIコーチも同様に、チームバランスを整え、且つ優位を取れる状況をしっかりと作り出しました。
相性はTOP、MIDは互角。JGではDFM、BotはUSGが有利。そして、チームバランスでは中盤がDFM、序盤終盤はUSGという、ほぼ互角のドラフトが見れました。
緊張の1戦目が始まります。
しかし、いきなり予想外の展開が待っています。
なんと、Eviがサイラスのフックショットを当てていた?ことにより、Keymakerのフラッシュを落とす事に成功していたのです。中継が始まったときには既にこの状態だったため、あくまで予想しか出来ませんが……。これにより、USG側のBOTは序盤から強気に攻め立てる事が難しくなります。その為、苦肉の策だったのか
Bot側の川にキンドレットのマークがついていたため、Tussleの援護をする形で体を寄せることにします。しかし、この僅かな動きで微妙な差が生まれ、結果的にドラフトで有利をとったはずのBotは、やや有利程度の誤差に落ち着いてしまいます。
トップレーンではapaMENは序盤の有利をつくるものの、Stealのカバーによってほぼイーブンになってしまい。MIDはDFMの目論見通りにコントロールされます。
それが生きたのは、リフトヘラルドでの集団戦でした。
リフトヘラルドに先に陣取り、万全の体制を引いたUSGに対して、EviとCerosを皮切りに集団戦を挑むDFMでしたが、テレポートも入り万事休すかと思いきや。
Steal操るキンドレットのR、羊の執行猶予で時間を稼ぎ、タムケンチのRで駆けつけたMFのバレットタイムが突き刺さり、勝負有り。
Botレーンでの勝敗がイーブンだったことにより、最後のトドメが間に合った形となりました。(その前に3人で主力を溶かしていた事も効きました)
結局、これを機にDFMの詰め将棋が始まり、タワーを1つも落とす事なく、DFMが圧倒します。
被タワー破壊0の勝利の瞬間。
これにより、USGは戦略の転換を図らねばなりませんでした。
・2戦目(サイド選択権USG レッドサイドを選択)
USGはサイドをレッドにして、特定のレーンを勝たせる戦略を再び明示します。
それに対して、DFM側がまさかの仕掛けを取りました。
Banの流れは先ほどと殆ど変わりませんでしたが、USG側はやはりサイラスを潰します。ここでハイマーに枠を割いている事実が効いて来ています。
そしてDFMはここでパッチ最強カードのケイルを抑えます。LCKにおいても、DWGのNuguri選手が試合を牽引した化け物ピックです。ただし、11LVまではパワーが抑えられているややレイトゲーム向けのチャンピオンです。
これに対して、USGはスムーズにリサンドラ、ケネンを抑えます。レーンでの優位を確保し、集団戦におけるハードCCを2つ確保、しかもコーキをDFM側が潰していますから、自由になるピックを選べたのは大きかったでしょう。
これに対してDFMはアッシュ、タムケンチの安定ピック。レーンの有利を確保しつつも、中盤以降のピックアップで時間を作れます。最後にUSGはブラウムをピックして、集団戦のパワーを確保します。
2ndフェーズ、BanはUSGはブラウムに有利の取れるモルガナ、ジーレンを消し、DFM側はまだ確定していないTussleのザックとジャーバンをターゲットBanします。
ここでUSGの選んだピックはカイサ。チャンピオン自体のパワーは絶頂期より落ちますし、レーン有利を取れる形ではないので、少し疑問の残るピックです。ただ、意図としてはケネン、リサンドラのCCに対して追走し、削りきるという集団戦を見据えたピックだったのでしょう。エズリアルを採用するには、ポーク力が若干足りませんでした。
そしてDFMのラストピックはカルマ、キンドレット。さて、ここでUSG困ってしまいます。レクサイはキンドレットに有利を取りにくく、バーストの出るAP系ジャングラーは構成上APが過剰になってしまう。かといってタンク系ジャングラーはキンドレットのカウンターに対してあまりにも無力。そもそも序盤にケイルを抑えきりたいUSG側としては、極端に選択肢が狭まってしまいます。
個人的にはオラフを推したかったですが、Tussleのプレースタイルに合わせてのリーシン。悪いピックではありませんが、レッドサイド側の優位性は若干薄れたといえます。
最終的なドラフトは、序盤はUSGがTOP、MID有利、DFMはJG、Bot有利を取ったと言えるでしょう。チームバランスは、DFMはキャッチ力と終盤の強さを、USGはエンゲージ力が高い為、中盤からの集団戦が強いと色がはっきり分かれました。
狙いが分かれた2戦目ですが、1戦目と違い、静かにお互い立ち上がりました。
USGはTOPとMIDのレーン有利を生かして、早々にタワーダイブを仕掛けます。
Eviのファーストブラッド。仕掛けるタイミングも完璧だった2v1を跳ね返した。
しかしここでUSGを悲劇が襲います。まだ5LVのケイルに、6LVのケネンとリサンドラのタワーダイブ。本来ならばなすすべなくデッドするところを、Eviのケイルは驚異的な粘りを見せ、逆にapaMENをキルします。
はっきり言います。ここでapaMENとDasherを責めるべきではないでしょう。若干apaMENがペースを併せる為に踏み込みが遅れた、とはいえ、充分なキルラインでした。Dasherもギリギリまでタワーアグロを引き受けてダメージを出しました。
それでも跳ね返したEviが凄かった。 ということです。
その後、レーンコントロールを握ったEviはStealと共にタワーダイブを慣行し、これをこなして見せます。
ただ、この時に致命的なコミュニケーションエラーが起きます。ケイルとキンドレット、重なったら意味の無いRを2つ同時に使ってタワーダイブをしてしまったのです。
そこを見逃すDasherとTussleではありませんでした。
ダブルキルでチームを勢いづける形で前半戦を折り返すことに成功します。
USG若干有利で、ついにBotレーンでの勝負が始まります。
テレポートも含めた5v5。これを制したものがゲーム有利を決める決戦だった。
Botレーンの小競り合いから双方のジャングラー、ミッドレーナーが集合し、そこにテレポートまで入っての集団戦が勃発します。
KeymakerとEntyが誘い、Dasherがエンゲージする展開に。
そのエンゲージをいなしたのはGaengのタムケンチでした。Wでの救出から、リサンドラのCCを解除するタイミングでのクレンズ、そしてフラッシュ。
完璧な捌きでYutaponを救出し、そして囲むようにDFMは……。
GaengとStealが裏周りしてエース獲得。
優位を奪った集団戦にて、エースを獲得しました。
Botのタワー、そしてインファーナルドレイクまで獲得してゲームの流れを掴みます。
その後の集団戦もUSGの仕掛けをかわしきり、バロンを取得。ゲームを畳みます。
ドラフトの修正を受けても、戦略的な部分を局地的に返していくミクロの強さが出ました。
・3戦目(サイド選択権DFM ブルーサイド選択)
追い詰められたUSG、そしてサイド選択権はDFM。
USGの不利な3戦目が始まります。
ここまでUSGは素晴らしいドラフトを見せるも、DFMの個人技とチームワークの高さに煮え湯を飲まされてきました。ここで小手先の変化では勝てないと踏んだRAHUIコーチは大胆に方針を転換します。
微笑むEnty「やっちゃうよ」という心意気が聞こえてきそうです。
Banは大枠は変えず、ハイマーを外して2戦目で暴れたケイルをBanします。
それに対してDFMはブラッドミアをピックします。これはEviもYutaponも使えるフレックスピックです。それに対してUSGはイレリア、セジュアニをピック。これはMID-JGのラインを強力にし、勝利を確実にする為の布陣です。近年ではヤスオーグラガスのラインが有名ですね。
それに対して、DFMはMFとリサンドラをピック。Cerosが結果を出しているリサンドラで安定さを、そして1戦目で暴れたMFを再び、です。これにより、USGは再びルシアンを縛られる事になります。
そして、USGはここでナーをピックします。ブラッドミアに対して序盤優位を取り、且つガンクを捌きやすく中盤以降も集団戦で存在感を出せる万能チャンプです。ピックの順番、大枠として単独レーンを先に確定させます。
2ndフェイズ、USGはタムケンチとキンドレットをBanします。これは後のピックの布石であり、安全なレーニングをさせないという意思表示です。加えて、集団戦でのバーストやCCの影響を取り除くキンドレットも消しています。
対してDFMはモルガナとガリオをBanします。やはりラストピックで持ってくるのはSUPだという読みからでしょう。
運命のピック、まずはUSGはスウェインをピックします。前評判通り、Keymakerの得意なメイジピックをぶつけてきました。DFMは予知していたかのごとく、迷わずレクサイとラカンをピックします。強気に、序盤から勝負をかけていくBotを作るための選択です。
ついにUSGのラストピック、満を持して登場したのはパイクでした。脆くなって久しいラカンに対して有利が取れますし、パイクのRは集団戦で突き刺されば、アグロピンポンを無効化する強力な武器になります。何よりEntyをBotから解き放つことで、本来のポテンシャルを取り戻す狙いもあったでしょう。
最終的な流れではレーン戦でUSGがTOP、Botで有利、DFMはJG、MIDで有利という形になります。チームバランスでは、DFMがエンゲージ後の集団戦、そしてUSGが序盤から崩し、キャッチして少数戦を行う事に重きを置きました。序中盤はUSG、終盤はDFMが有利でしょう。
今までと違う流れの見られそうな3戦目、ゲーム開始直後からそれは直ぐに現れました。
序盤有利を生かそうとしたStealを捕まえるEnty、Tussle。
リスクを取って有利を取りに来たStealをEntyが補足します。その情報をもって、Tussleが追い詰め、Entyがパイクのフックを生かしてレクサイを捕まえます。
これによってEntyはモビリティブーツを購入し、プレデターで縦横無尽にサモナーズリフトを駆け回ります。
Dasherのキルを助けて……
Keymakerもそれに答えてファインプレーを連発し、Botレーンも有利を取ります。
Entyの軽快な動きに、KeymakerのスカトルのスティールやスネアでのYutaponを捕獲する等調子を上げ、インファーナルドレイクを獲得します。
さらにリフトヘラルドを獲得し、その様子を見に来たStealを捕まえたところから集団戦を起こします。この時間帯はUSGが圧倒的に有利な時間帯です。
Keymakerの絶妙なテレポートから、Dasherの追撃!!
ここでKeymakerが最高のプレーを見せます。集団戦でAOEダメージでDFMを撤退させ、Dasherが追撃をする事でキルを取り、さらに遅れてやってきたYutaponまでキル。
なんと12分時点でUSGは4000Gもの有利をとります。
ここからUSGは丁寧に丁寧に有利を広げていきます。Tussleの管理が光る状態ですが、DFMは細かく細かく反撃していきます。
CerosやEviのベイト(囮作戦)によってapaMENをキルし、ゴールドを加算します。
USGもYutaponをキャッチしてテンポを修復し、赤バフでの集団戦へ繋げます。
先見の明でガーディアンエンジェルを購入していたDasher。悠々と生還します。
赤バフでDFMの仕掛けを受けたUSGですが、YutaponとEviのファインプレーにより一時不利に陥るものの、Dasherが乾坤一擲のイレリアRを叩き込み、apaMENと集団戦を勝ちきります。
USGがこのまま勝ちきるのかと思われた中、DFMは少しずつペースを整えます。
とにかく育っているEviにゴールドを集め続けます。Gaengのガンクと、ミッドレーンでの集団戦を経て、シャットダウンゴールドまで入る形になります。
28分でのEviの育ち具合。8/0/1の圧倒的な育ちに。
育ったEviとDasherが試合を牽引し、エース同士が鍵を握る状態へ。
しかし、Eviのプレッシャーは凄まじく、バロンを取得しタワーシージを開始します。
DFMは油断無くタワー有利をマクロで取得し、ゴールド差はイーブンへ。
そしてエンドゲームへ向かったのですが。
ここでセジュアニ(Tussle)のウルトが突き刺さる!
KeymakerとDasherのダメージが後裔に突き刺さり、Yutaponが落ちます。
最後は追撃してクアドラキルで締めました。
インヒビタータワーからネクサスタワーへ手をかけたDFMを悪夢が襲います。
完璧なタイミングでのTussleのR。KeymakerとDasherの突撃によって、DFMは陣形を掻き乱され、Dasherのクアドラキルを許してしまいました。
これによりゲームエンドは出来ず、さらに試合時間は延びます。
DFMは一計を案じ、バロンピット内でのトラップを仕掛ける事となります。
DFMのフォーカスはTussle!!
と、思いきやDasherへ反転!! この瞬間誰しもがDFMの勝利を確信しました、が
DFMのトラップから集団戦の流れるような反転でDasherが落とされてしまいます。
視聴者はその殆どがDFMの勝利を確信したでしょう。
しかし、次の瞬間、この3試合で最大のビックプレーがありました。
apaMENとEntyのRが炸裂ゥッ!!!!
死角から飛び込んだapaMENのRと、同時に発動したEntyのRが3人を巻き込みトリプルキル!!
形勢が逆転し、バロンを獲得したのはUSGとなります。
ついに1戦返したか……?と思ったのですが、ここで構成の難が出てしまいます。
USGの編成はタワーシージが非常に弱く、タワーはじわじわとしか折ることが出来ません。
エルダードレイクを取得したり、apaMENがバックドアをする等、揺さぶりを賭けるのですがDFMはひたすら殻にこもる形でその時間をしのぎきります。
特にEviの活躍は凄まじく、Dasherを一瞬の隙を突いて削りきります。
あまりに激しい集団戦が続き、名キャスターeyesも台詞を噛むほどの激闘。
じりじりとした試合は、40分を超え……。最後の決戦の場は、USGにとって2度目のエルダードレイクでした。
ポジショニングはUSGが優位をとったものの、apaMENのゲージはたまっておらず、若干不利な状態に。
睨み合う両チーム。
そこでやはり動かしたのはEnty フックでEviを捕らえ、一転有利に!
EntyのフックからKeymakerが仕留める。
しかし、Yutaponのバレットタイムが刺さってしまい、体力差が発生。
ここからYutaponのMFのパッシヴ(ラブタップ)を利用した鬼のようなDPSが発生、CerosのCCも後押しし、DFMがエースを取得するのでした。
突き刺さるバレットタイム!!
フォーカスを受けるも鬼のようなDPSでUSGを駆逐していくYutapon。
eyes「何故、何故デットしないんだァッ!!だい”り”ょ”ぐいぐづだょぉお”っ”」
ついに決着。45分にも及ぶ死闘は、DFMの勝利となりました。
ついに割れたネクサス。双方持ち味を出し切った素晴らしい試合でした。
・総括
DFMが3-0で勝利をしましたが、3戦目の内容についてはUSGも粘りに粘って持ち味を発揮していました。
夏スプリットに向けて好材料を手に入れたと言えます。
ただし、DFMを超えようとする全てのチームはEviという高い壁を越えねばならないでしょう。
1戦目は機転を利かせ集団戦を有利に運び、
2戦目はガンクを捌いて圧倒し、
3戦目は窮地に陥ったチームを救う獅子奮迅の働きをしました。
間違いなく試合全体のMVPでしょう。
そして底支えしたGaeng、本当にいい選手が加入しました。現状最強のSUPでしょう、今後も楽しみです。
何よりもDFM、優勝おめでとう!!
優勝カップを掲げるDFM。世界を驚かせる準備は出来た!!