青い空を見て知る(LOLとゲームと人生これから)

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MSI終了……各地域の「強さ」について。

 歴史が変わった瞬間にバンドのライブで心底楽しんでいたみっしーです。(おい

 G2、ついに頂点に立ちました。 EUがシーズン1以来の奪冠を果たしたと言えます。

 

ついに頂点に立ったG2の背中

 

 試合自体はVODS(録画)で見ましたけど、決勝は一方的に見えましたね。

 ただ、これはG2というチームの強さと、TLの弱みがかみ合ってしまった結果なんですよね。(準決勝のTLのパフォーマンスが凄すぎたということでもありますが)

 前回の記事で、DFMに足らない強みについての考察をしましたが、ベスト4に残った4地域の強みについて改めて紹介していきます。

 

・目次

 1:G2 Esports

 2:Team Liquid

 3:SK telecom T1

 4:Invictus Gaming

 

 

1:G2 Esports 西洋の魔術師達~世界最強の創造魔法~

ピック読みをしているキャスター達も困惑するG2の戦略

 

 G2 Esportsに関しては解説するまでもないかと思いますが、彼らの最大の強みは「常識を覆す創造性」です。

 個々の能力も勿論世界最大レベルに高いのは当たり前、TopのWunderは、テクニックなら世界最強と誰もが認めるIGのTheShyが「世界2番目に強い」と言わしめる選手。

 そしてMidのCapsは昨年度の1v1トーナメントの優勝者。レーン単体なら世界最高と言ってよかったでしょう。

 それでも、それ以上の強みとして言えるのは常に彼らはメタの「最適解」を崩しえる回答と、相手の常識を崩しえる柔軟性を持っていたことです。

 Topがスノーボールするのなら、より高い機動性と攻撃性をということでのTop パイク。SKTのドラフトを誘導する為のBot シンドラ。

 特異なピックだけではなく、他チームの行ったことを取り入れ、ザヤラカンに対するドレイブン、レクサイに対するスカーナー……。

 彼らのピック幅は異常に広く、何をしても対応してくるかのような恐怖感まで持っています。

 

 しかし、これだけなら奇手を絡めるロシアのVegaや日本のDFMも負けていない!と思う人もいるかもしれません。

 ただ、G2をG2たらしめているのは、「いつでも」このピックを出すわけではなく、まともに戦ってもしっかりと強く、そして引き出しを致命的な時に開封してくるのです。鍛え上げられたミクロ、そして常識的なピックだけでも強いのに、そこに「最高の初見殺し」を持っているわけです。

 プロの試合では、ほぼ初見殺しなんてものは起こりえません。分析をしっかりとする世界では、常に戦略は最適解が選ばれているのです。ただ、G2は常識の延長線上にあるほんの少しの綻びを見つけ、そこを突く。有る意味で常識を疑う、事をギリギリまで行っているチームなのかもしれません。

 そして、その情報すら利用して、相手のドラフトを巧妙に誘導する……まさに魔術師の集団だったのです。

 なので、G2は後述するSKT、TLに勝ち得た、ということなのでしょう。

 

 

2:Team Liquid データへの集中主義~逆転しうる投資能力~

 今回、昨年のワールドチャンピオンたるIGを倒して2位となったTL。浮き沈みの激しい彼らは、決勝ではG2の前に崩れ落ちていきました。

 その理由ですが、TLの持ち得る最大の強みは「データを元にした確実な」戦略をとることが多いという事です。

TLの逆転の一手を決めるImpact TLは僅かな勝ちを希望に変える

 

 TLは試合展開がひっくり返りやすいNAという土壌においては安定しています。それは、TopのImpact、MidのJensen、BotDuoのDoubleliftとCoreJJがそれぞれしっかりとピックに答えてくれる事でしょう。

 そもそもNAで逆転が多いのは、リソースが集中している個人が突っ込みすぎたり、失敗する事で相手チームに隙を与えてしまう事に起因しています。NAは「個人主義」な面が大きい地域ともいえます。 まあ、オールスター地域とも言えるので当然なんですが。

 なので、NAのドラフトというのはとてもわかりやすく出来ています。活躍できるキーマンに、勝ちうる要素を渡して、それを補佐するように周りを組み立てる。後は個人で決めきる戦術が取れるか、ということになります。

 有る意味でもっとも読みやすいチームだったかもしれません。準決勝でのラックスピックも、データ上の裏づけが取れているわけで、出てきてもおかしくなかったですから。

 ただ、それでも勝てるのは膨大なデータの分析量でしょう。アメリカという土壌では、投資するように確実な手段をみつけ、それを膨らませることがドリームに繋がります。個人の能力を支えるのは、確実にスタッフということですね。

(例を挙げるならC9のReaperedは、ドラフト、戦略を確実に仕上げる名手)

 TLは、有る意味で「究極の当たり前」をこなす事によってIGに勝ったわけですね。

 逆の意味で、G2というクリエイティブ、且つミクロ面で上回れる相手には無力だったのかもしれません。

 

3:SK telecom T1 世界最高峰のマクロ~百点の後出しジャンケン

 世界王座に何度も輝いたSKT。その王座のカムバックが期待された今大会ですが、地域特色の唯一と言っても良い欠点を突かれた形になりました。

 SKTの最大の強み、それは「正しい行動を導き出す力」だったと思います。

彼らは決して勝てる瞬間以外で「闘わない」 それを見極め、突撃するKhan

 

 KR地域は、世界で最も試合中の戦略性が「正しい」チームが勝つ形が多いです。

 相手が行動を起こしたら、こう対応する。そして起こしえる致命的なものは、防げるときに防いでおく。

 そうすることによって、世界で最も手堅く、崩しにくく、一定以上の強さを誇り、世界王座に輝いたのです。一度勝つことはできても、KR地域のチームに連続で勝つことは中々難しかった。

 ましてや、その頂点であったSKTは対応能力が凄まじく、相手の先手を封じ、先手を許したと思っても、それを絶望的なまでに上回る行動力がありました。

 勿論、ミクロ面でも、一時期は最高のトップレーナーと呼ばれたKhan、隠れた才能Teddy、常にコールをも支える献身的なMata、CN地域からスカウトされた今年のキーマンClid。そして魔王Faker。何れもトップレベルの技術を持っています。

 ただ、ミクロで確実に世界一であったKR地域を世界各地で上回る選手たちが出てきていますし、そもそもKR選手を囲い込むチームの多いLPLではミクロで上回る事は難しくなりました。

 なので、KRは今まで培ってきた対応力を持ってして、「確実に、勝てる状況以外は闘わない」ことを徹底してきたわけです。ただ、ワード数が減らされた事で、昨年の世界大会では、地域全体が煮え湯を飲まされました。

 対して、今年のSKTは攻撃性の高いClidを入団させたことで、序盤からの戦略を組み立てられるようになり、GRFやKZを打ち破る事に成功しました。グループステージでは、後半戦から戦略も修正し、ハイプレッシャーによる「闘わない」戦略を徹底する事で、進化を遂げていたのです。

 思うに、SKTはチーム力もトップクラスで、準決勝がSKT対TLであったならば、当たり前も戦略をしている限り、SKTの勝ちは揺るがなかったでしょう。

 しかし、G2はSKTの弱みを理解していました。Clidの活躍できる状況をドラフトで封じ、試合中に対応が難しい、新しい戦略を叩きつけてきたのです。

 コーチやスタッフは試合中にアドバイスはできません。この差が、僅かな最後の敗北を生んでしまったのかもしれませんね。後だしジャンケンも、相手の手が見えなければ機能しなかった、というわけです。

 

4:Invictus Gaming 即時即決決断の鬼~剛力無双の秀才達~

  昨年のワールドを制し、グループステージでも世界最強の名を欲しいままにしていたIG。準決勝まででついた黒星はわずかに「1」。優勝は確実といわれていた彼らですが、まさかの敗退となりました。

シンドラのEで二方向別々の場所にスタンを発生させるRookie。驚異の一言のスーパーテクニック 

 

 極限まで高められたミクロ(個人技)そして、LPLという戦闘が頻発する地域によって最高の集団戦能力を培った、真正面から闘う事に関しては疑いようも無く最強のチーム、それがIGです。

 その骨太の基盤に、即時反応する決断力が最大の武器で、IGには奇襲は通用しないというような錯覚すら起きてしまうほどでした。

 しかし、シンプルが故に対応策を練る事がトップクラスチームには出来たのです。

 勿論、最低限凌げる、逆転できるミクロは必要なのですが、SKT、G2、TLは3チームとも、少なくとも優位の中勝ちきれる力は確実にありました。

 そして、ここでIGの意外な弱点あることに気付きます。それは、ドラフトにおいてはフレックスピックを多用し、メタにおける強力なチャンピオンを確実に抑える、という点です。

 「いやそれ当たり前だろ」なんですが、逆に言えば分析しやすいということでもあります。そして、それを強要しやすいということでもある。

 冗談めいて「TheShyにはバン枠が20必要」なんていわれますが、自分達の戦略に致命的なチャンピオンだけをバンすることで、有る程度の不利を受け入れればいいんです。むしろ、わざとピックを制限することで、カウンターを当てる事もできる。

 そして、G2のようなクリエイティブなピックもほとんど見られませんでした。(アイバーンピックは少し舐めすぎなだけな気がします……)

 その戦略性の綻びをTLに突かれてしまいます。TLは既存の戦略性とチームを分析して対抗策を見つけることに関しては最強のチームです。だからこそ、IGは負けてしまった。

 逆に言えば、創造性を叩きつけるG2にとって、IGはそれを見てから、試合中に対応できる最悪の相手だったでしょうね。

 

 

 

・まとめ

 ここまで見た中ですと、面白い事に

 G2>SKT>TL>IG>G2 という不思議な構造が出来上がっているんです。

 やはり地域の特色が強く、濃く反映された大会だったと思います。

 

 日本という地域もここから、より強く地域性を生み出し、リーグに反映する必要があるでしょう。

 LJL夏スプリットは6月15日から!!

 もう少しで最高の舞台にたどり着けたDFM、それを倒せる猛者は現れるのか!

 個人的にはCGA応援してますけどね! 期待してます!!

 

 それでは、また。